転勤制度、人事異動制度を見直す会社が増えてきています。

転勤のメリット・デメリットを働く人目線で見ると、次のようになると思われます。

・生活、ワークライフバランスの面:一般的にマイナス
・経験値、キャリアアップの面:プラスになることが多い
・キャリアの継続性の面:マイナスになることが多い

転勤制度の問題のひとつは繰り返されるということ、そしてもう一つはいつあるかわからないということです。
そのようなことですから、例えば、前回の転勤からもう3年たったので、またそろそろあるんじゃないかなと戦々恐々としてるというような光景がよく見られるのですね。

会社の人材マネジメントの観点で見ると転勤制度には、「人材育成」と「人材の需給調整」という2つの機能があります。

でも、前者の人材育成機能というのは実際のところどうなのでしょうか。
この点については、そういう効果があるのは職務上の変化があった場合限られるという調査結果が出ているようです。
考えてみれば当たり前のことで、転勤それ自体に人を育てるという機能は、ゼロではないものの、あまり多くは期待できないといっていいでしょう。
あるとすれば、担当業務や役職など、何らかの職務上の変化が必要ということですね。

いずれにしても、今後は辞令1枚で一方的に転勤を命じるということはなかなか難しくなっていくと思われます。
転勤を伴わない人事異動も同じかもしれませんね。

会社は社員の希望、すなわち、勤務地の希望と働く部門・職務の希望、この2つの希望を聴取・把握することが、これまで以上に必要になっているということです。

転勤や人事異動には前述の通り、「人材の需給調整」という機能もありますから、希望通りになるとは限りません。
しかし、勤務地限定社員精度や職務限定社員制度の導入、テレワークの活用など、さまざまな施策を組み合わせていくことで、社員が働きやすい環境をつくっていくのがいいですね。
自分がやりたい仕事がどれだけできるか、生活とのバランスがきちんと取れるかといったことが、働く人の仕事へのモチベーション、会社へのロイヤリティに大きな影響を与えます。
会社の命令には問答無用で従うのが当然という時代ではありません。
社員が会社に背を向けたり、辞めていってしまって困るのは会社なのです。

会社の成長にしっかり貢献しようという方向に社員の気持ちをもっていく施策が、いま何より必要かと思われます。

会社が成長していくうえで人材マネジメントは重要なポイントになります。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な人材マネジメント施策をアドバイスをさせていただきます。
ぜひ一度、ご相談ください。