いま求められる複線型人事への転換

ダイバーシティ、多様化に対応する人事制度を考えていくうえでポイントになるのは、「単線型」から「複線型」への転換ということになると思われます。

これまでも「総合職・一般職」、「全国転勤型・地域限定型」などの複線型人事制度というのはありました。
これからはこうした複線型人事制度を進化させ、さまざまなタイプの人材が共存して組織目標達成に協業するというマルチトラック型の人事制度を作っていく必要があります。

ここでいう人材タイプは、次の5軸で整理していくのがいいでしょう。

  1. 雇用形態:正社員、契約社員、パートタイマーなど
  2. 職務:職務の内容・特徴と職務変更の程度・範囲。ゼネラリスト(無限定)、スペシャリスト(限定あり)など
  3. 働く地域:全国、地域限定など
  4. 働く場所:原則出社、原則在宅など
  5. 働く時間:フルタイム・短時間、フレックス・裁量労働など
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「職務」が軸に

このように人事制度をマルチトラックとした場合に大事なのは、組織運営の「軸」です。すなわち、会社・部署のビジョンと目標、仕事の目的とゴールイメージです。
これまでの単一型人事制度のもとで、皆が常時顔を合わせて仕事をしている環境であれば、このようなことはあまり考えなくてもよかったかもしれません。(本来はそうであっても必要なのですが)。
しかし、これからは様々なタイプの人材が同じ組織に混在しているようになります。その場合、組織が何を目指しているのかについて共通の認識を皆がもたないと、組織がバラバラになります。組織の構成員全員が共有し、拠り所とする軸が必須になるのです。

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  • 多様化への対応で軸になるのは、やはり「職務」でしょう。
  • ただし、「これからはジョブ型にせよ」とか「職務給にすべき」ということではありません。
    いかなる人事基準にする場合でも、職務とのかかわりを意識しましょうということです。

たとえば、これまで主流であった「職能給」にしても、この「職能」とは「職務遂行能力」です。
やはり「職務」とのかかわりが強かったはずなのです。
それが、いつの間にかそこが抜け落ちてしまい、年功序列と大差な状態になっていたというのが実状です。

いずれにしても、ダイバーシティ、多様化に対応するためには、職務を共通の軸に、複線型・マルチトラック型の人事制度を構築していく必要があると思われます。

これからの人事制度、賃金制度をどうするか

ダイバーシティ、多様化への対応は人事制度、賃金制度の整備があってこそ実現できます。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な賃金制度をアドバイスをさせていただきます。
ぜひ一度、ご相談ください。