正社員として働く人が2021年には過去最多に

3月22日の日経新聞に、正社員として働く人が2021年には過去最多になったという記事が掲載されていました。
構造的な人手不足で、企業が安定した労働力の確保、非正社員を正社員に置き換えるいう流れが生まれているということです。

会社が優秀な人材の確保に動くのは当然のことですし、人材投資をきちんとやっていくということはとても良いことです。
また、安定的な雇用が増えていくということも、全体としては良い流れだとは思います。

逆行にならないように

ただこの流れが、昔ながらの人材マネジメントの仕組み、つまり、正社員がど真ん中にいてそれ以外は「周辺」という仕組みに逆戻りすることにつながるとしたら、あまり望ましくないのではないかとは思います。
何らかの理由でまた景気が悪くなり、人出が余るような状況になれば、再び正社員が減り、非正社員が増えて不安定雇用が増えていくということにまたなってしまうためです。
つまりこれまで何度も繰り返されてきたことの再現になってしまうわけですね。
非正社員を、正社員の雇用を維持するための調整弁とだけしか考えていない限り、これが続きます。

多様化への対応を

ここで考えるべきは、雇用全体が多様化している中での正社員、非正社員の位置づけということでしょう。
これにもいろいろな考え方があると思いますが、私は、スキルやノウハウが企業特殊的か市場横断的かになると考えます。
前者は長期雇用を前提とした正社員、後者は流動性の高い非正社員ということになります。
これらをどのぐらいの割合で揃えていけばいいかという「ポートフォリオ」の発想があるのがいいですね。

もちろん、きっちりと算定できるものではありません。
そのときそのときでアンバランスが生じることも当然あります。
しかし、「この仕事はどの会社でも大体同じだな」とか「この仕事は当社の独自性が強い」、あるいは「独自性が強いと思っていたが、やり方を見直せば汎用的になる」といったことは、かなりの精度で把握できると思います。

そうであれば、それらの仕事をどのような人が担当しているのか、そしてそれは適切なのかも分かるでしょう。
そのようなプロセスで、部署や会社全体の「人材ポートフォリオ」が出来上がり、それに基づいた人材戦略を立てることが可能になります。

会社が成長していくうえで人材マネジメントは重要なポイントになります。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な人材マネジメント施策をアドバイスをさせていただきます。
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