賃金がやりがい、モチベーションに与える影響の分析

賃金は、社員のモチベーションや仕事のやりがいに大きな影響を与えます。ただし、その影響の仕方は一様ではなく、金額・業界・個人の価値観・企業文化などによって異なります。以下、主要なポイントを整理します。

賃金はやりがいの「土台」となるが、直接的な要因ではない

心理学者フレデリック・ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」によれば、賃金は「衛生要因」に分類され、不足すると不満を生むが、十分であっても長期的なやりがいにはつながりにくい-つまり、給与が低いと社員は不満を感じ、やりがいも低下するが、賃金を上げるだけでは必ずしもモチベーションが持続するわけではないとされています。

では、賃金がモチベーションに与える影響はどのように考えればいいのでしょうか。

賃金がやりがいに影響を与えるケース

賃金がやりがいにプラス・マイナスの影響を与える具体的なケースを見ていきます。

プラスの影響

評価の納得感がある場合
  • 自分の努力や成果が給与に反映されていると感じると、やりがいが向上する。
  • 成果、貢献度重視の企業では特に重要。
生活の安定が確保されている場合
  • 生活に困るほどの低賃金だと、仕事のやりがいよりも生計維持が優先される。
  • 逆に、十分な賃金があれば、仕事の内容や達成感に集中できる。
業界・職種による影響
  • インセンティブが大きい営業職などは、給与が直接モチベーションにつながる。
  • 一方、クリエイティブ職や専門職は、賃金だけでなく仕事の意義や自己成長も重要な要素になる。

マイナスの影響

賃金に対する不公平感
  • 同じ仕事をしているのに給与が低いと感じると、やりがいは低下する(例:「同僚より給与が低い」「市場相場より低い」)。
  • 特に、優秀な社員ほど外部の市場価値を意識する傾向にある。
高賃金が逆効果になる場合
  • 「お金のために働いている」と感じると、内発的なやりがい(仕事そのものの楽しさや成長)が損なわれることがある。
  • 創造性が求められる職種では、金銭的インセンティブが逆にパフォーマンスを下げることがあるという見解もある。

分析のまとめ

  • 賃金は、やりがいの土台になるが、それだけで持続的なモチベーションにはならない。
  • 適正な賃金設定と、公平感のある評価制度が、やりがいを支える鍵となる。
  • 高賃金でも、「お金のために働いている」という意識が強まると、内発的動機が損なわれるリスクがある。

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