結構大事な総則規定

就業規則の冒頭にあるのが総則規定といわれるものです。
これはテンプレート等からそのまま引き映してきたようなものな多いです。

しかしここは結構大事な部分ですので、きちんと考えて記載するのがいいですね。
なぜなら、ここで会社の人材に対する理念や考え方を打ち出すことが多いからです。

そして実際問題として重要なのが、就業規則の適用範囲ということです。
例えば契約社員やパートタイマーといった人たちは、この就業規則の適用範囲なのかそうではないのかということです。
そして対象外の場合は、別規程などに関することが明記されているかどうかということですね。

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採用と入社についてどう書かれている?

次は、採用、入社、試用期間に関することです。

入社時の提出書類

ここでまずチェックするのは、入社時の提出書類に関することです。
どのような書類を出してもらうのか、その内容をチェックします。
一般的に必要なものが一通り網羅されているかということですね。

そして提出期限です。
これはよく、「速やかに」というような内容であることがよくありますが、あまり望ましくありません。
入社から〇〇日以内と明確な期限を定めるようにするのがいいですね。
また、このような書類を期限までに提出しないとか、提出してこないといった場合にどう対応するかもきちんと定めておきます。
実務的に困ることも多いですし、何より入社の段階から会社の指示に従わないわけですから、厳正に対処するのが望ましいかと思われます。

また、提出書類の内容に虚偽があった場合、会社はどう対応するのかもきちんと定めておく必要があります。
このようなことは、懲戒規定に入っていることが多いです。
例えば、偽りの手段をもって入社した場合、懲戒処分の対象とするというようなことですね。

もちろんこれも必要なことですが、入社の項により具体的なかたちで入れておくのがベターです。
また対応方法は、懲戒処分の対象とし、又は入社を取り消すことがあるというような内容にします。

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労働条件の明示

次は労働条件の明示です。
労働基準法で社員の入社時、法律的に言うと労働契約締結時には賃金や労働時間といった一定範囲の労働条件は明示しなくてはならないことになっています。

これは法律上の義務ですから、就業規則の記載の有無にかかわらずやらなくてはいけないことです。
ただ、就業規則はその名の通り社員の就業上のルールや会社の様々な人材マネジメント施策を記載したものですが、同時に人事担当者の手引きでもあるという面もあります。
そういう観点から何が必要なのかを就業規則に網羅していくという観点も必要です。

また就業規則に記載すべき事項は労働基準法に定められています。
そういうものについては、法律で決められている通りの内容であったとしても、就業規則に記載しなくてはなりません。
法律を見ればわかるのだからいいだろうというわけにはいきません。

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試用期間

そして次は試用期間に関することです。

試用期間を設けるか設けないかは会社の自由です。
しかし設ける場合は就業規則にその内容を記載しなくてはなりません。

まず必須なのは期間ですね。

試用期間の長さに関しては法律上の制限は特にありません。
ただこの期間は、働く人にとっては、本採用されるのかどうかが決まっていない不安定な期間になります。
そのためあまりに長い試用期間は無効とされることあります。
長くても1年ぐらいが限度かと思われます。

また、試用期間の延長に関することが書いてあるかどうかもチェックポイントです。

本採用して良いかどうか確信が持てない、しかしここで終わりとまでは断定できないという場合、期間を延長できるようにして、再度様子を見るということです。

そして最終判断に関することです。
試用期間の結果、正式採用しないことを本採用拒否といいます。
どういう場合に本採用拒否となるのか、その理由がどう書かれているかをチェックします。

あなたの会社に合った就業規則を作成するために

就業規則は法的義務という枠組みを超えて、組織を活性化させ適法に事業活動を行うためにとても重要なツールです。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。
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