労働時間の基本事項をチェック

就業規則作成・見直しの実際、今回は労働時間、休日、休暇について解説します。

労働時間については、まず基本事項、すなわち、始業・終業時刻、所定労働時間、休憩時間をチェックします。

始業・終業時刻、所定労働時間は、個別の労働契約で定めるとしている例もあります。
パートタイマーなどはこのパターンの方が多いかもしれません。
当然この場合でも、法定労働時間を超えることはできません。
必要に応じて個別の労働契約の内容を確認することもあります。

休憩時間は一斉が原則

休憩時間が一斉でないこともあります。

ここは案外認識されていないところですが、休憩時間は事業所一斉が原則です。
例外は---
①適用除外業種(小売業など)である
②労使協定を結んでいる
---このどちらかです。

よって、適用除外業種でない場合、一斉休憩適用除外の労使協定を結んでいるかをチェックします。

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始業時刻・終業時刻の変更はできるようになっているか

始業・終業時刻の変更があり得ることが規定されているかも確認します。
これは必須ではありませんが、ないと必要に応じて始業時刻や終業時刻をずらすことができなくなってしまいます。
よって、設けておいた方がいい項目と思われます。

柔軟な労働時間制度

労働時間制度には、次のようなバリエーションがあります。
業務実態によってある程度の柔軟性があるということですね。

・フレックスタイム制
・1ヵ月単位の変形労働時間制
・1年単位の変形労働時間制
・1週単位の変形労働時間制
・事業場外みなし労働時間制
・専門業務型裁量労働制
・企画業務型裁量労働制
・高度プロフェッショナル制

これらは、制度内容、労使協定の締結など様々な要件が定められています。
制度が導入されている場合、法的要件に適っているかを確認します。
また、業務実態からこれら制度の導入を提案することもあります。

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休日の規定を確認

休日については、週1日または4週4日の「法定休日」が確保されているかをまず確認します。

また法定休日の定義がされているかもチェックポイントです。
これは「毎週日曜日」などと日が特定されている場合と、「週の全部を出勤した場合の、週の最終所定休日」というように特定されていない場合があります。
特定することまでは義務づけられてはいませんが、休日労働割増率との関係もあり、何らかの定義は必要です。

休日振替と代休の規定もチェックポイント

休日振替は、休日と定められている日を勤務日とし、別の日を休日とすることです。
一方代休は、休日出勤をした場合の、代わりの休み。

同じように見えますが、休日振替は休日に出てもらうことにした時点で、代わりの休日を決めておかなくてはなりません。

それにより、もともとの休日は勤務日となるため、その日に出勤しても休日出勤とはなりません。
そのため、割増賃金を支払う必要はないのです。
ただし、休日振替をするには、就業規則に休日の振替をすることがある旨を定めておく必要があります。

一方代休の場合は、元々休日だった日はあくまでも「休日」です。
よって、この日に勤務すればそれは「休日出勤」となり、割増賃金の対象になります。

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