変形労働時間制とは

「変形労働時間制」とは、1ヵ月、3ヵ月などの一定期間で、1週平均の労働時間が40時間(特例事業では44時間)以内になっていれば、1日の労働時間が9時間、10時間になっても、あるいはある州の労働時間が40時間を超えても割増賃金の支払いをしなくてもよいという制度です。

繁閑の差が予め予測できる業務、シフト制を組む業務に適した制度といえます。

変形労働時間制には期間の取り方によって、1ヵ月単位、1年単位、1週単位の3パターンがあります。

今回はこのうち、1ヵ月単位の変形労働時間制についてご説明します。

1ヵ月単位の変形労働時間制とは

この制度は1ヵ月以内の一定期間(1ヵ月とか、4週間、など)の、1週あたりの平均労働時間が40時間(特例事業では44時間)の範囲内であれば、特定の日、特定の週の労働時間が法定労働時間を超えても良いというものです。

これを使うと色々な勤務形態が可能です。
たとえば、
・月末の多忙な1週間は1日9時間、1週45時間とし、他の週・日の労働時間を短くする。
・1日10時間、週休3日とする。
――などです。

変形労働時間制を採用する場合、対象期間各日の始業・終業時刻、所定労働時間を決めておく必要があります。
そして、対象期間の所定労働時間の上限が次の通り決められています。

 40時間(または44時間)×(対象期間の暦日数÷7日)

対象期間を1ヵ月とする場合、1ヵ月あたりの暦日数は月によって異なりますので、月によって上限が異なります。

具体的には次のようになります。

1ヵ月28日の月:40時間×(28日÷7日)=160時間
1ヵ月29日の月:40時間×(29日÷7日)=165.7時間
1ヵ月30日の月:40時間×(30日÷7日)=171.4時間
1ヵ月31日の月:40時間×(31日÷7日)=177.1時間

労使協定または就業規則の定めが必要

1ヵ月単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定、または就業規則の定めが必要です。
労使協定を結んだ場合は、その協定を所轄労働基準監督署長に届けなくてはいけません。

就業規則だけでもOKです。
また、労使協定を結んだ場合でも、就業規則の定めは必要です。

労使協定の内容

次の通りです。

・1ヵ月以内の一定の期間を平均し、1週間の労働時間が法定労働時間を超えないということ。
・変形期間の定め(1ヵ月、4週間など)
・変形期間の起算日(毎月1日、など)
・対象労働者の範囲
・変形期間の各日、各週の労働時間の定め
・協定の有効期間

就業規則の内容

労使協定の定めに加えて、変形期間内の各勤務日の始業・終業時刻を定めなくてはなりません。
ただし、労使協定にない事項だけを就業規則に定め、その他の項目は労使協定によるとしてもOKです。

1ヵ月単位の変形労働時間制における時間外労働

1ヵ月単位の変形労働時間制を採用した場合に、時間外労働となる(割増賃金の支払いが必要)のは、次の場合です。

a.1日については、所定労働時間が8時間を超える日についてはその所定労働時間を超える時間、それ以外の日については8時間を超える時間。

たとえば、ある月の25日の所定労働時間が9時間、26日の所定労働時間が7時間の場合――
・25日の実働時間が9時間、26日の実働時間が8時間の場合、時間外労働は0時間です。
(ただし、26日の1時間分については所定労働時間分の賃金は支払わないといけません。

一方、25日の実働時間が10時間、26日の実働時間が7時間の場合、時間外労働11時間となります。

b.1週間については、40時間(または44時間)を超える所定労働時間を定めている場合は、その所定労働時間を超える時間、そうでない週は40時間(または44時間)を超える時間が時間外労働となります。
ただし、aで時間外労働となる時間は除きます。

c.1回の変形期間については、その変形期間の労働時間の限度を超える時間が時間外労働となります。
ただし、a,bで時間外労働となる時間は除きます。

適切な労働時間管理のために

今回は1ヵ月単位の変形労働時間制について解説させていただきました。

これからの働き方をを考えていくうえで、労働時間制度のあり方は重要なポイントになります。ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした労働時間管理制度をご提案します。労働時間管理でお悩みの方はぜひご相談ください。

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