1年単位の変形労働時間制とは

繁閑の波が長いレンジでくるような業務に対応した制度が、「1年単位の変形労働時間制」です。
「1年単位」というのは、「1ヵ月以上1年以内」ということです。
この期間は、労使協定などの要件を満たせば自由に決めることができます。
そして、この期間内の週平均労働時間が40時間を超えないようにします。

※「40時間」という点は要注意です。「法定労働時間」ではありません。法定労働時間が44時間になっている事業所でも、1年単位の変形労働時間制の場合は、40時間です。

期間が長いがゆえの問題も

もしこの制度で、1年の前半は労働時間が極端に長く後半は極端に短いなどという勤務形態にしたら、どうでしょう?前半で病気で倒れてしまう人がでてしまうのではないでしょうか。

このようなことを避けるため労働基準法でも、1年単位の変形労働時間制を導入する場合に守るべきことをいろいろと定めています。

労使協定、就業規則

1年単位の変形労働時間制を導入するには、労働者の過半数を代表する労働組合または、過半数代表者との間で次に掲げる事項を協定し、所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。

・1年単位の変形労働時間制で労働させる労働者の範囲
・対象期間、対象期間の起算日
・特定期間(特に業務が繁忙な時期)
・具体的な労働日と労働日ごとの労働時間
・協定の有効期間

また、就業規則の定めも必要です。

対象期間

対象期間は2ヵ月、3ヵ月などいくつかに区分することができます。

このような場合、(a)最初の期間の具体的な労働日と各労働日の労働時間、(b)残りの各期間の労働日数と労働時間を決め、(b)については、各期間の初日の30日前までに過半数労働組合等の同意を得て具体的な労働日と各労働日の労働時間を定めます。

労働時間の限度

1年単位の変形労働時間制では、労働時間の限度が次の通り定められています。

・所定労働時間の上限は、1日10時間、1週52時間
・対象期間が3ヵ月を超える場合は――
所定時間が48時間を超える週は、連続3週以下
対象期間を3ヵ月ごとに区分した各期間で、所定時間が48時間を超える週の初日は3以下
――となります。

労働日数の限度

1年単位の変形労働時間制では、連続労働日数の限度が6日と定められています。
ただし、「特定期間」については、1週1日の休日が確保できればよいとされています。
つまり、特定期間の連続労働日数の限度は12日となります。

また対象期間が3ヵ月を超える場合、所定労働日数は次の日数が限度とされています。

  280日×(対象期間の暦日数÷365)

時間外労働、割増賃金

1年単位の変形労働時間制では、時間外労働となる(割増賃金の支払いが必要)のは次の時間です。

a.1日については、労使協定で8時間を定めた日はその時間を超えた時間、それ以外の日は8時間を超えた時間。

b.1週間については、労使協定で40時間を超える時間を定めた週はその時間を超えた時間、それ以外の週は40時間を超えた時間。(a.で時間外労働となる時間を除きます)

c.変形期間全体については、その期間の法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間(a,bで時間外労働となる時間を除きます)。

適切な労働時間管理のために

今回は1年単位の変形労働時間制について解説させていただきました。

これからの働き方をを考えていくうえで、労働時間制度のあり方は重要なポイントになります。ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした労働時間管理制度をご提案します。労働時間管理でお悩みの方はぜひご相談ください。

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