会社を辞めるにはいろいろなパターンがある

何らかの理由で従業員が会社を辞めることを、法律用語で「労働契約の終了」といいます。
これにはさまざまなパターンがありますが、大きく分けると次の2つになります。
 ① 退職
 ② 解雇
①の退職は、次のいずれかの形で労働契約を終了させることをいいます。

・合意退職
  使用者と労働者が合意の上で労働契約を終了させる
・辞職
  労働者が一方的に労働契約を終了させる
・自然退職
  定年や契約期間満了など、あらかじめ決められた条件を満たしたために労働契約が終了する

一方、②の解雇とは、会社側の意思で一方的に労働契約を終了させることです。

退職、解雇の主なパターンは次の通りです。

<退職>
・合意退職(労働者の退職願を会社が受理した場合など、双方合意の上での退職)
・無断退職(労働者の一方的な退職)
・有期雇用契約者の契約期間満了
・休職期間満了
・定年退職
・死亡・行方不明

<解雇>
・普通解雇(勤務成績不良などやむを得ない事由による解雇)
・整理解雇(経営上の事由による解雇)
・懲戒解雇(懲戒処分としての解雇)
・諭旨解雇(懲戒処分だが、懲戒解雇より軽い場合の解雇)
・有期雇用契約の更新を繰り返している労働者に対する契約更新拒否
・試用期間中または試用期間満了後の本採用拒否
・採用内定取消

同じ会社を辞めるのでも、退職と解雇では、法律上の扱いがまったく異なります。
就業規則について考える際にも大きな意味を持ちますから、どう違うのかしっかりと把握しておいてください。

「退職」には、さまざまなケースがある

前述のとおり、退職には辞職、合意退職、自然退職の3種類があります。就業規則にも関係してきますから、それぞれについて解説していきます。

直前の「辞職」は受け付けなければならないのか?

従業員から一方的に労働契約を解約することを、「辞職」といいます。
使用者が行う解雇については、法令や裁判例でさまざまな制約が課せられているのに対し、労働者の行う辞職についての労働法上の制約はありません。
そのため、期間の定めのない労働契約では民法が適用され、労働者はいつでも辞職、つまり労働契約の解約を申し入れることができます。そして、申し入れから2週間が経過すれば、労働契約は終了します(民法627 条)。
つまり、従業員からの辞職の意思表示は、退職日の2週間前までに行われれば原則有効であり、使用者はそれを受け入れなければならないということです(逆に、2週間前までに行われなければ、2週間が経過するまで退職日を延長させることができます)。

ただし、月給制の場合には民法に次のような規定があります。

627条2項
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申し入れは、次期以降にすることができる。ただし、その解約の申し入れは当期の前半にしなければならない

この条文を適用すると、たとえば賃金計算期間が毎月1日~末日の場合には、辞職の申し入れと退職日の関係を次のようにすることができます。

・1日~15日に退職を申し出た場合 → 退職日は当月末日
・16日~末日に退職を申し出た場合  → 退職日は翌月末日

ただし、労働基準法は会社が労働者を解雇する場合は30日以上前の予告を義務づけています。
この解雇予告との関係で、労働者からの退職については、申し入れの時期にかかわらず2週間前でよいという見解もあります。
実際、会社からの解雇が30日前の予告でできるのに、労働者側からの辞職は最長1ヶ月半前に言わなくてはならないというのも、バランスを欠く気がします。
以上から、会社側の定めにかかわらず、労働者からの辞職申し入れが2週間以上前になされれば、経営者から見ると無茶な話であっても受け入れなければならない、と考えるのが現実的でしょう。

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