解雇に関することは就業規則に必ず定める

労働基準法で、解雇に関することは「絶対的必要記載事項」とされています。ですから、就業規則に解雇について記載しておかないと、労働基準法違反となります。
就業規則には、解雇となる場合の事由を列記する形で記載します。

30日前には、解雇を予告すること

ある日いきなり従業員に「今日付けで解雇」とすることは許されません。
従業員を解雇するときには、労働基準法第29条、21条の定めによって、30日以上前に「解雇予告」をしなければなりません。
従業員の側でも、解雇されるということになれば次の職を探したりしなければなりませんから、労働者保護の観点からこれは当然のことでしょう。

また、30日以上前に解雇を予告できないときは、代わりにその従業員の平均賃金30日分以上の「解雇予告手当」を支払わなければなりません。
これは法的義務ですから、解雇予告をしていないのに手当を払わなければ法律違反です。
素直に支払うか、きちんと30日以上前に解雇予告を行いましょう。
どうしても「即日解雇」としたいのであれば、約1ヶ月分の賃金は支払わないといけない、ということです(もちろんこの場合も、解雇権の濫用にならないように注意!)。
なお、解雇予告手当を支払った場合は、支払った日数分は解雇予告の期間を短縮できます。

解雇予告、解雇予告手当どちらも不要の場合もある

ただし、次のどちらかの事情があり、所轄労働基準監督署長の「解雇予告除外認定」を受けた場合には、解雇予告を行わなくてかまいません(当然、解雇予告手当の支払い義務もない)。

①天災事変その他やむを得ない事由のために、事業の継続が不可能となった場合
②懲戒解雇など、労働者の責に帰すべき事由にもとづいて解雇する場合

従業員が問題行動におよび懲戒解雇する場合には、解雇予告除外認定を受ければ、解雇予告も解雇予告手当も不要なわけです。

法律のこの決まりを見て、「懲戒解雇は監督署長の認定を受けなくてはならない」という人がいますが、これは誤解。
懲戒解雇そのものは、基本的に就業規則の定めと会社の判断によります。
判断が不当でないかといった問題はありますが、少なくとも監督署長の認定を受けるという筋合いのものではありません。
ただ、予告も予告手当も無しにするためには、監督署長の認定を受けなくてはならないということです。ここはきちんと区別して理解しましょう。

また、次の条件にあてはまる従業員にも、解雇予告を行わなくてよいとされています。

①日々雇い入れられる者(1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)
②2ヶ月以内の期間を定めて使用される者 (所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)
③季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)
④試用期間中(14 日を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)

これらの内容も、解雇に関することですから絶対的必要記載事項です。必ず就業規則にも記載しておきましょう。

あなたの会社に合った就業規則を作成するために

以上、解雇をめぐる問題について今回は解雇予告を中心に解説させていただきました。このようなことも就業規則をつくる際には重要なポイントになります。
先に述べたとおり、就業規則は事業活動を行うためにとても重要なツールです。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。

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