復職までのステップ

メンタルヘルス不調で休職していた人の症状が改善すれば、復職ということになります。
ここで問題なのは、身体のケガや病気とちがって、メンタルヘルス不調の場合、どの程度回復したのかが分かりにくいということです。
業務復帰可能という診断が出て、会社も復職という判断をしても、では、メンタルヘルス不調になる前と同じように仕事ができるかどうかはケースバイケースです。
そのため、業務への完全復帰までは、慎重に、ステップを踏んでいく必要があります。

出社訓練

メンタルヘルス不調になった場合、まず目指すべきは、日常生活を送ることができることとです。
そして、規則正しく日常生活が送ることができるようになってから、会社に行くようしてもらいます。

しかし日常生活を送ることができても、会社に毎日行けるとは限りません。
そのため会社は、主治医などとも相談しながら、出社訓練をしてもらうという手を打ちます。

これはあくまでも治療の一環という位置づけにします。
そのため、出社をしても、仕事はさせません。
また、「出社レベル」も、状況に応じて徐々に変えていきます。

・会社の前に行くまで
・会社の玄関を入る
・職場に顔を出す
・職場の空いている席でしばらく過ごす

このように、少しずつ、復帰への地ならしをしていきます。

リハビリ勤務

「リハビリ勤務」には、休職前より軽めの仕事に就かせて様子を見る形態と、前述の出社訓練にあたるものの2つがあります。
ここでは、リハビリ勤務を前者の形態を指すものとします。

この場合、「軽めの仕事」とは何を指すのかですが、これは、「仕事の質」と「仕事の量」の2つになります。

仕事の質は、難易度、責任、権限などになります。
仕事の量は、労働時間と考えていいでしょう。
これを、専門家、本人と話し合いながら設定します。

出社訓練中の賃金などの扱いは

この期間は、病気療養中、すなわち、休職期間中と位置づけるのがいいでしょう。
出社訓練は治療の一環ということです。
したがって、この期間は、休職中の扱いに則ります。
また、出社訓練中は、業務指示などを出さないようにします。

リハビリ勤務期間中は?

この期間は、何らかの形で業務につきますので、復職と位置付けます。
(ただし、リハビリ勤務期間に、上記の出社訓練期間も含むのであれば、この期間は切り離します)。
したがって、賃金を支払います。

ただ、復職前と同じでなくてはならないというわけではありません。
勤務時間が短ければ、それに対応させればOKです。
また、休職前より、業務の質や量を下げている場合は、その期間の賃金は別にするという方法も取れます。

このようなことを検討し、就業規則などに定めておきます。

復職時の職場

復職した場合、職場はどこにするのがいいのでしょうか?
原則は元の職場です。
慣れた職場、仕事に復帰するのが、本人にとっても、会社にとっても、いいでしょう。

しかし、そうではない場合もあります。
メンタルヘルス不調の原因が、仕事への不適合や、上司・同僚との人間関係など、元の職場にあったような場合です。
この場合、元の職場に復帰させるわけにはいきません。

また、組織改編や事業内容の変更で、元の職場がなくなってしまったり、元の職場の業務が縮小されたような場合も同様です。

以上から就業規則には、次のような定めをしておきます。

・復職は原則として元の職場に復帰とする。
・事情により、他の職場・業務とすることがある。

復帰できなかった場合

休職期間が満了しても治癒せず、業務に復帰できない場合は、退職または解雇となります。
退職になるのか、解雇になるのかは、就業規則の定め方次第です。
解雇とする場合は、解雇予告の問題が発生します。

あなたの会社に合った就業規則を作成するために

以上、メンタルヘルス、休職をめぐる問題について解説させていただきました。
メンタルヘルスにかかわることは就業規則をつくる際にも重要なポイントになります。
就業規則は事業活動を行うためにとても重要なツールです。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。

ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした就業規則をご提案する「就業規則コンサルティング」サービスを行っていますので、就業規則の作成・見直しでお悩みの方はぜひご相談ください。