復職とは休職から業務に復帰すること

メンタルヘルス不調で休職中の社員が、休職期間満了前に「業務復帰可能」と書かれた主治医の診断書を持ってきて、復職を希望してきたとします。
この方の申し出そのままに、会社は復職としていいものでしょうか?
これは結構悩ましい問題です。
特にこころの病の場合、専門家でさえ判断を誤ることがあります。
せっかく復職したのに再発してしまって、再度の休職ということになってしまっては元も子もありません。
会社にとっても損失ですし、何より本人が辛い思いをします。
場合によっては、会社が責任を問われるリスクもあります。

・復職は誰が、どう判断するか
・復職時の職場、業務はどうすべきか
・再発してしまったらどう対応するか

このようなメンタルヘルスからの職場復帰の問題を、就業規則の規定のし方や現場での対応を含めて考えていきましょう。

傷病が「治癒」するとは

傷病休職で休んでいる場合、その傷病が治癒したことが、復職の要件になります。
これは間違いのないところですが、この「治癒」とは何を指すのでしょうか?
傷病が完全に治り、通院の必要がなくなることまで求められるのでしょうか?
そこまで求められることはありません。
もしそうであれば、風邪などで通院していても、会社に来れなくなってしまいます。
一方、治癒の必要がなくなっても、重大な障害が残っていたら、復職させるのは難しいかもしれません。
ポイントになるのは、業務につくことができるかどうかです。
そのため、就業規則には、業務復帰可能ということを記載するようにします。

復職で本人にしてもらうことは

休職期間終了までに、復職を会社に申し出てもらうようにします。
そのとき、業務復帰可能であることのエビデンス、すなわち、医師の診断書をつけてもらいます。
実際の運用では、休職期間ギリギリまでどうなるのか分からないという状態にするわけにはいきませんから、期間満了の1ヶ月程度前になったら、会社から本人に確認するようにします。

復職は誰が判断するのか

では、休職中の社員が、「業務復帰可能」と書かれた主治医の診断書をもってきて、復職を申し出てきたら、会社はどう対応すべきなのでしょうか?
主治医が業務復帰可能と言っているのだから、それにしたがって復職させますか?
それはお勧めできません。
なぜなら、主治医が会社の業務内容を把握しているとは限らないからです。
知らないことの方が多いでしょう。
それにもかかわらず、診断書そのままに復職させるのは危険です。
復職を最終的に判断するのは、会社です。
したがって、そのことを就業規則に書くようにしましょう。

ただし、だからといって、会社は主治医の判断を無視したり、軽視してはなりません。
専門家の判断を、素人が一方的に無視するわけにはいかないです。
医師が業務復帰可能としているのに、一方的に会社が「無理だ」と判断して復職を認めないのは、不当とされる可能性があります。

判断に迷ったら

では、主治医の「業務復帰可能」という判断に疑問が生じたら、会社はどうすべきでしょうか?
そのようなときは、本人同意の上主治医と面会する、産業医など別の医師の診断を受けさせるといった手を打ちます。
あるいは、復職判定のためのリハビリ出社、リハビリ勤務といったことも考えます。(これらについては後で述べます)。
いずれにしろ、このようなことを会社が行うことを就業規則に書くようにします。

あなたの会社に合った就業規則を作成するために

以上、メンタルヘルス、休職をめぐる問題について解説させていただきました。
メンタルヘルスにかかわることは就業規則をつくる際にも重要なポイントになります。
就業規則は事業活動を行うためにとても重要なツールです。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。

ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした就業規則をご提案する「就業規則コンサルティング」サービスを行っていますので、就業規則の作成・見直しでお悩みの方はぜひご相談ください。