「やってはならないこと」と「やるべきこと」を定める
会社は、労働者を組織し、有機的に関連づけることによって事業を遂行します。当然そのためには、一定の秩序が必要になります。
こうした、職場での秩序のことを「企業秩序」といいます。
この企業秩序については、次の3つに分類できます。
- ① 労働の遂行に関する秩序
- ② 経営秩序、企業施設の維持管理に関する秩序
- ③ 職場外での行動、企業の信用保持に関する秩序
これらの企業秩序を維持し、トラブルを予防するには、就業規則にあらかじめ「やってはならないこと」と「やるべきこと」を定めておく必要があります。
これが、「服務規定」と呼ばれるものです。
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服務規定は「予防策」、懲戒規定は「後始末」
服務規定は企業秩序を守るためのいわば「予防策」です。
一方、従業員が現実に企業秩序に反したことを行った場合には、一定の制裁を課さなくてはなりません。つまり、「予防」に失敗した場合です。
こうした場合の制裁について、就業規則に規定した条文が「懲戒規定」になります。
服務規定が「予防策」であるのに対し、懲戒規定は事後策、つまり「後始末」をつけ、きっちりけじめをつけさせるための規定といえます。
職場のルールに違反した者には、こうした「けじめ」をつけさせなければ、企業秩序は維持できません。
服務規定を考える際には、常にセットで、この懲戒規定についても考えていかなくてはならないのです。
なお「後始末」とはいえ、懲戒規定を設けることによって、当然ながら秩序違反に対する予防的効果も見込めます。
守るべきルールを定め、あとは自由に
ここまで書いてきたことを読むと、何だか会社が社員をがんじがらめにするかのように思われるかもしれません。
特にこれからの時代、働き方の柔軟性がますます求められる中、「規則、規則」というのは逆行しているのではないかという感じもしてしまいます。
しかしそれは誤解です。
会社で働くうえで守るべきルールは必ずあります。
たとえば、他の人の仕事を邪魔してはならないとか、会社の金品を横領してはならないとか。
当たり前のことですよね。
こうしたことをしっかり守ったうえで、その先は自己裁量で仕事を進めるというのがあるべき姿のように思われます。
むしろ、明文化されたルールのないまま、その都度「あれはダメ、これもダメ」と事細かに言う方がよほど息が詰まるのではないでしょうか。
働く人を一方的に縛るだけではない
また、服務規定は働く人を一方的に縛るものではありません。
会社も就業規則に縛られます。
たとえば、パワハラ防止条項などが典型ですね。
ヒューマンキャピタルは、様々な事例を元に、就業規則にどのような定めをすれば会社の秩序を保つことができるのかをアドバイスします。
一度、ご相談ください。
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