「ハラスメント」という言葉が定着したのはセクシュアル・ハラスメントが最初だったと思います。
もう30年以上たちますね。

世の中のあらゆる事象を「○○ハラスメント」と称するような風潮もあるように思いますが…

ハラスメントとは

ハラスメントとは、いじめ、嫌がらせを意味します。
そしてこれは、次のような特徴をもっています。

  1. 閉ざされた空間で起こることが多い
  2. 個人(または少数派)への不当な攻撃
  3. コミュニケーション不在が背景
  4. 精神障害など被害の深刻化をもたらす

したがって、ハラスメントには次のように様々な態様があります。

・モラル・ハラスメント(モラハラ)
・パワー・ハラスメント(パワハラ)
・セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)
・マタニティ・ハラスメント(マタハラ)
・アカデミック・ハラスメント(アカハラ)
・ドメスティックバイオレンス
・近隣関係におけるいやがらせ
・サイバー空間での誹謗中傷

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職場で起こるハラスメント

このようにハラスメントには様々な態様がありますが、職場で起こるハラスメントは主に次の4つになります。

セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)

相手方の望まない性的言動等により、他の社員に不利益を与えたり、就業環境を害すると判断される行為

パワーハラスメント(パワハラ)

職権を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

マタニティ・ハラスメント(マタハラ)

妊娠・出産・育児・介護に関する不適切な言動により、他の労働者に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を害するような

モラル・ハラスメント(モラハラ)

精神的な暴力、嫌がらせ

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これらは個々に独立しているとは限りません。
ある行為が、複数のハラスメントにまたがっていることは珍しくありません。
たとえば、セクハラは職権を背景にしていることが多く、その場合、パワハラの要素も併せ持ちます。
また、セクハラ、パワハラ、マタハラは身体的な暴力だけでなく、精神的な暴力を伴うことが多いです。したがって、モラハラの要素ももちます。

したがって、あるできごとに対して「これはセクハラ、パワハラのどっちなんだろう」と思い悩むのはあまり意味がありません。
それぞれのハラスメントの定義などを正しく理解し、それぞれのどの要素が入っているのかを考えていくのがいいでしょう。

この後引き続き、ハラスメントの防止・対応、就業規則との関係などについて解説していくことにします。

リスクを予防し労務環境が良くなる就業規則を作成するために

以上、今回は各種ハラスメントについて解説させていただきました。
ハラスメント対策においても、就業規則は重要なツールとなります。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。

ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした就業規則をご提案する「就業規則コンサルティング」サービスを行っていますので、就業規則の作成・見直しでお悩みの方はぜひご相談ください。

01_1.就業規則作成 01_2.就業規則作成、見直しの実際 02_1.メンタルヘルスと就業規則 02_2.ハラスメントと就業規則 02_3.労働契約と就業規則 03.労使協定 10.採用、試用期間 11.退職、解雇 12.服務 13.懲戒 14.人事 15.労働時間 16.賃金規程 17.安全衛生、メンタルヘルス 18.育児・介護 19.ハラスメント 19_1.セクハラ 19_2.パワハラ 19_3.マタハラ 20.年少者 31.人事・賃金制度全般 32.人事等級制度 32_2.昇格、降格 33.人事評価制度 34.賃金制度 35.ジョブ型人事 36.賞与 40.モチベーション、エンゲージメント 40_2.心理的安全性 41.人材育成 45.採用 51.テレワーク 52.有期雇用、パート 53.正社員登用 54.高齢者雇用 60.社会保険 61.入社時の社保 63.事業所新設と社保 65.労災、通災 70.業界別人事・労務 71.外食・小売業の人事労務 80.ダイバーシティ、多様化 80_2.複線型人事 85.働き方改革 100.コラム