入社手続に関する規定は法的義務ではないが就業規則に定める必要あり

就業規則には、必ず採用・入社時の手続きや提出書類のことを記載しておきましょう。
たとえば、採用選考の段階では、履歴書等の書類を出してもらいます。
また、入社が決まった人からは、年金手帳や現住所、扶養家族に関する書類なども出してもらいます。
こうして会社に提出を求められた書類が常識的な範囲のものであれば、定められた期限までに書類を揃え、提出するのが社会人としての「常識」です。
しかし、世のなかにはいろいろな人がいます。たとえば、以下のような人です。
 ・ずぼらで期限までに提出しない人
 ・特別な信条を持っていて、提出に応じない人
こういう場合、会社は提出を「命令」しなければなりません。また、最悪の場合は採用取り消しということもあり得ます。
こうした人事措置をとるときに、法的な根拠になるのが就業規則の規定なのです。
人柄や人物について、まだよく知らない人を雇うというリスクに備えるために、採用・入社時の手続き等を就業規則に定めておくことは、非常に重要です。

どんな書類を出してもらうか

入社時に出してもらう書類には次のようなものがあります。
このリストを参考に、自社で何が必要かをご検討ください。

  • 履歴書
  • 職務経歴書
  • 最終学歴に対応する卒業証明書
  • 誓約書
  • 身元保証書
  • 住民票記載事項証明書
  • 年金手帳(20歳以上のみ)
  • 雇用保険被保険者証(加入歴のある者のみ)
  • 各種免許証、資格証明書
  • 源泉徴収票
  • 現住所届、通勤経路届
  • 給与所得扶養控除等申告書、健康保険被扶養者異動届
  • 個人番号通知カード
  • その他会社が必要とする書類

要求した書類を出さない採用者への対応は?

では、期限までに書類等の提出がなかった場合は、どう対処すればよいでしょうか?
入社時の必要書類を、正当な理由なく提出しない場合、懲戒処分の対象となります。
就業規則に記載してある懲戒であれば、法的にも問題ありません。
実務上も困ることが多いですし、何より、入社の時点から会社の指示にしたがわないのですから、厳正に対処すべきです。
ただし、「採用取り消し」、つまり解雇処分まで可能かどうかは、次のような点から判断されます。
提出書類が入社後の業務遂行や諸手続きを行うにあたって必要性の高いものか
書類の不提出によって雇用関係に重大な支障が生じるか
当該書類の提出が採用の条件とされているか

提出期限も就業規則に具体的に記述しておくこと

また、必要書類の提出期限を「入社の日からすみやかに」として、期限を就業規則に明記していない例がありますが、望ましくありません。
期限までに提出できない人の多くは、ずぼらな性格であることが原因になっています。
そういう人は、「すみやかに」という記述を「そのうち」ととらえたりしますから、「○○日以内」と具体的に明示すべきでしょう。

このように、入社時の提出書類ひとつをとっても、考えるべきことは多岐に渡ります。
お困りの点があれば、ヒューマンキャピタルまでご一報ください。