正社員登用制度を設ける意味は?

多様な人材の確保と活用、同一労働同一賃金への対応、ダイバーシティへの対応など、様々な人事課題への対応策として、非正社員の正社員登用制度は有効な手段です。
これから数回にわたって、正社員登用制度の実際を解説していきます。

正社員登用制度を設けることで、様々な効果が期待できます。
それを整理すると、次の3つの分類できます。

  • 効果①:モチベーションアップ、人材の定着
  • 効果②:人材採用
  • 効果③:人材ポートフォリオ戦略の推進

効果①:モチベーションアップ、人材の定着

正社員登用制度の有無は、非正社員のモチベーションに少なからぬ影響を与えます。

働く人のモチベーションが上がれば、定着率も上がります。
人が定着しないことがもたらすコスト負担は実に大きいです。
直接的には採用コスト。
そして、もっと大きいのは教育コストと生産性。

「ようやく仕事を覚えたと思ったら辞めてしまう…」

こんな経営者の嘆きを、これまで数え切れないほど聞いてきました。
その嘆きはよく分かります。
小さな会社だと、業務がとまってしまうことにもなりかねません。
人材の定着策は、処遇策と並ぶ人事の両輪です。
その点は、パートタイマーなどのいわゆる非正社員も同じです。
会社によっては、現場業務のかなりの部分をパートタイマーが担っているということもあります。

人材の定着策として、正社員登用制度は有効なのです。

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効果②人材採用

正社員登用制度には、次のような人材を確保できるというメリットがあります。

  • 実績がある人材
  • 能力やパーソナリティを把握している人材
  • 社内の組織や業務の流れを理解している人材

このような点を活かし、採用の入り口として正社員登用制度を位置づけるという方法をとることもあります。

つまり、ただちに正社員として人を採用するのではなく、最初は契約社員などの形態で期間を定めた労働契約を交わし、その間に正社員としての適格性を判断するという方法です。
厚生労働省が助成している「トライアル雇用」もこの類型に入ります。

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効果③人材ポートフォリオ戦略の推進

「人材ポートフォリオ」などというと、何やら小難しく思ってしまいますね。
でも、経営者や人事担当者の方であれば、次のようなことは常に考えていることでしょう。

「パートタイマーはあとどのぐらい必要?」
「○○の専門家が当社にはいないな」

これが「人材ポートフォリオ」です。
つまり、正社員、パートタイマー、契約社員など、様々な人材を、どれぐらい揃えればいいのかということなのです。
競争環境が厳しさを増す中、人材を過不足なく揃えることが、従来にもまして重要な経営戦略となっています。
その実現のために考えたいのが人材ポートフォリオ戦略です。

人材ポートフォリオは次の2つの軸で考えます。

①知識や技能の特殊性
②知識や技能のレベル

人材ポートフォリオ戦略の中で、正社員登用制度は重要な役割を果たします。
つまり、非正社員という流動化人材を社内にプールし、事業展開に沿って、一定比率の非正社員を正社員に登用するという仕組みを作ることで、流動化と定着の両方を実現できるのです。

01_1.就業規則作成 01_2.就業規則作成、見直しの実際 02_1.メンタルヘルスと就業規則 02_2.ハラスメントと就業規則 10.採用、試用期間 11.退職、解雇 12.服務 13.懲戒 14.人事 15.労働時間 16.賃金規程 17.安全衛生、メンタルヘルス 18.育児・介護 19.ハラスメント 19_1.セクハラ 19_2.パワハラ 19_3.マタハラ 20.年少者 31.人事・賃金制度全般 32.人事等級制度 33.人事評価制度 34.賃金制度 35.ジョブ型人事 36.賞与 40.モチベーション、エンゲージメント 51.テレワーク 52.有期雇用、パート 53.正社員登用 54.高齢者雇用 60.社会保険 61.入社時の社保 62.扶養家族と社保 63.事業所新設と社保 64.私傷病と社保 65.労災、通災 70.業界別人事・労務 71.外食・小売業の人事労務 80.ダイバーシティ、多様化 85.働き方改革