男性の育児休業取得促進

2021年6月16日に閉幕した通常国会で、育児・介護休業法改正案が成立しました。

改正の柱のひとつが、男性の育児休業取得促進です。

この点についてはこれまでも、「パパ・ママ育休プラス」などのかたちで手が打たれてはいました。
これは、両親がともに育児休業を取得する場合、子が1歳2か月に達するまで育児休業を取得することができるという制度です。ただし、取得期間そのものは1年です。

このような取り組みが功を奏したのか、令和2年度の男性の育児休業取得率は12.65%と、前年の7.48%から大きく増えました。(「令和2年度雇用均等基本調査」(厚生労働省))
改正法は、このような動きを後押しする効果が期待されます。

出生時育児休業制度

改正で新設されたのは「出生時育児休業制度」。

出生時育児休業制度というのは、子の出生後8週間以内に4週間まで育児休業を取得することができるという内容です。
出生後8週間は女性であれば産後休業を取得していますので、新制度の対象は男性ということになります。

「出生時育児休業制度」の運用について厚労省より案が示されました。
以下、厚労省案に則って解説します。

休業の分割取得

出生時育児休業制度は2回に分割して取得することができます。
ただし、休業期間の上限は4週間なので、2回分の合計も4週間までです。

育児休業の分割について少し補足します。

今回の改正では出生時育児休業制度以外の育児休業(本稿では「通常の育児休業」とします)を2回まで分割することが可能になりました。
つまり、出生時育児休業制度による休業は通常の育児休業の取得回数に含めなくていいということです。

したがって男性の場合は、出生時育児休業制度を取った後でも、2回まで通常の育児休業を取ることができるのです。

出生時育児休業制度による休業の申出期限は、原則として休業の2週間前までです。
通常の育児休業が「1ヵ月前」となっていますから、これより短くなっています。

ただし、職場環境整備などの取組を行い、過半数労働組合または過半数代表との間で労使協定を締結した場合は1ヵ月前にできます。
この「取組」は以下のいずれかで、このうちの2つ以上が必要とされています。

  • 育児休業に係る研修の実施
  • 育児休業に関する相談体制の整備
  • 育児休業の取得に関する事例の収集および提供
  • 育児休業の取得を円滑化するための業務の配分または人員の配置に係る必要な措置の実施

また出生時育児休業制度は労使協定を締結することにより、適用除外を設けることができます。
労使協定により適用除外とできるのは、以下の通りです。

  • 出生時育児休業申出があった日から起算して8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

出生時育児休業制度の施行日

出生時育児休業制度の施行日は令和4年10月1日です。

休業中に仕事をした場合は

育児休業中に就労をすることはできないのが原則です。就労した時点で復帰とされるということですね。
例外的にその就労が臨時的・一時的なものである場合に限って、就労した後も引き続き育児休業を取得することができることになっています。

しかし今回新設された出生時育児休業制度の場合、労使協定を締結すれば休業中の就労が可能です。
休業中でも必要に応じて業務に就くことができるようになるため、制度の柔軟な運用が可能になり、男性の育児参加を促進する効果が期待できるということですね。

こちらも厚労省より示された案に基づいて解説します。

就労する(させる)場合は、前述の通り労使協定を締結したうえで、次のような運用とします。

①労働者自身が休業開始予定日の前日までに以下の事項を申し出る。
 ・就業することができる日時
 ・上限日数・時間数等

②事業主が上記の範囲内で就労の日時を提示し、休業開始予定日の前日までに労働者の同意を得て提示した日時に就労させる
 ・休業開始予定日の前日までの間、労働者は同意を撤回することが可能。
 ・休業開始予定日以後は、配偶者の疾病等の特別な事情ががある場合に限り撤回可能

休業中に認められた就業は、休業期間中の所定労働日数の半分以下に制限されます。労働時間の合計も、休業期間中の所定労働時間の半分以下です。
また、使用者の意に反して労働者が同休業中の就業を希望しなかったとしても解雇その他の不利益取扱いをしてはなりません。

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出産や育児については、休業制度・時短制度や様々な社会保険上のサポートが用意されています。
それは妊娠から子供が小学校に入学するまでの期間に及びます。

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