年少者の労働時間には特別な規制がある

前回、義務教育終了前の「児童」を労働基準監督署長の許可を受けて使用する場合、労働時間規制は次のようになっているとご説明しました。

  • 修学時間を通算して1日について7時間まで
  • 修学時間を通算して1週間40時間まで
  • 深夜業禁止(午後8時から午前5時)

そして、義務教育終了後であっても18歳未満の「年少者」については以下にあげる諸制度は適用除外になるという規制があります。一般と同じになるわけではありません。

要するに、非常災害時などを除いて、年少者は1日8時間、1週40時間という枠で使用しなくてはならないということです。

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<除外される労働時間制度>

  • 1ヵ月単位の変形労働時間制
  • フレックスタイム制
  • 1年単位の変形労働時間制
  • 1週間単位の非定型的変形労働時間制
  • 36協定による時間外・休日労働

また年少者も原則として深夜業は禁止されます。

ただし、一部例外があります。

年少者への変形労働時間制の適用

年少者であっても、以下の条件の範囲内で変形労働時間制を適用することができます。
ただし、児童は除きます。

  • 1週40時間を超えない範囲で、1週のうち1日を4時間以内にすれば、他の日を10時間まで延長する。
  • 1週48時間、1日8時間を超えない範囲で、1ヵ月単位、1年単位の変形労働時間制を適用する。
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年少者の休日について

前述の通り、年少者に36協定による休日労働は禁止されています。
ただし、すなわち4週に4日の休日を与えるいわゆる変形休日制の適用は、週40時間の法定労働時間を超えない限り可能です。

年少者の深夜業

年少者の深夜業禁止には以下の例外があります。

  • 満16歳以上の男子を交替制によって使用する場合
  • 交替制で午後10時半まで使用する場合(所轄労働基準監督署長の許可が必要)
  • 非常災害時

以上、2回にわたって、年少者を活用する場合の注意点をご説明しました。
繁閑の差が大きい外食業、小売業にあって、高校生バイトは貴重な戦力です。
ただし、活用にあたってはこれまで述べてきたような法規制に注意していきましょう。

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