新規に店舗等をオープンする際には
店舗を新規にオープンすることになった場合、労働基準法、労働保険・雇用保険の面でもいろいろな手続が必要です。
「こういう店舗をオープンしました」という届出をしておくということですね。
これをしておかないと、たとえば労災事故が発生したときなどに具合の悪いことになってきます。
何が必要か
新規出店時に必要な手続きは以下の通りです。
- 労働保険成立
- 労働保険一括
- 増加概算保険料申告
- 雇用保険非該当承認申請
- 就業規則届
- 36協定届
事前に集めておくべき情報は
一連の手続を行ううえで必要な情報はあらかじめ集めておきましょう。
その方が効率よく作業を進めることができます。
◆店舗情報
・名称、所在地、電話番号
・設置日
・常用労働者数(業務別に)、雇用保険被保険者数
・3月末までの賃金総額見込
・責任者役職、氏名
◆会社情報
・全労働者数
・雇用保険被保険者総数
◆労働保険一括関連情報
・指定事業(親店舗)の名称、所在地・電話番号、労働保険番号
◆労働基準法関連情報
・就業規則
・他の店舗の36協定
労働保険成立、労働保険一括
- 店舗の設置から10日以内に、労働保険の成立手続を行います。
- 具体的には「労働保険保険関係成立届」を提出します。
- 提出先は、店舗を管轄する労働基準監督署です。本社ではありません。
新規出店の場合、一般的には「労働保険の一括」を行います。
手順としては、まず労働保険を成立させ、続いて労働保険の一括手続を行うという流れになります。
(労働保険が成立していない事業を一括することはできません)
労働保険の一括とは、労働保険料の納付に関する手続を、1つの事業所で一括してできるようにするというものです。
これをしておかないと、毎年の労働保険料申告・納付手続(年度更新といいます)を、それぞれの店舗ごとにやらなくてはならなくなり、とても煩雑です。
一括ができるのは、以下の条件を満たしている場合です。
- 指定事業と被一括事業の事業主が同じ
- 労災保険上の業種が同じ
たとえば飲食店が、新たに同様の店舗を出すような場合は、既存の店舗に一括ができますが、加工工場を設置したような場合は一括はできません。
一括をする場合は成立届の欄外に、一括先(親店舗)の労働保険番号と「一括予定」という文言を記入しておきます。
- 労働保険成立届を出すと、その店舗の労働保険番号が決まります。
- その番号を使って、「労働保険継続事業一括認可申請書」を提出します。
- 提出先は一括先(親店舗)を管轄する労働基準監督署ですので注意してください。
増加概算保険料申告
新規出店の結果、会社全体のその年度の賃金総額の見込額が2倍を超え、かつ、概算保険料の額が13万円以上増加するときは、増加概算保険料申告書を提出し、増加分を納付します。
雇用保険非該当承認申請
雇用保険の適用は、事業所単位が原則です。
ただ、規模が小さく、経営組織としての独立性を有しない場合は、上部組織での一括取り扱いを承認してもらうということが可能です。
これを「雇用保険事業所非該当承認申請」といいます。
労働保険の一括と似ていますが、こちらの場合、一括取り扱いになるのは労働保険料の納付事務だけです。
労災事故が発生した場合の手続は、一括された店舗(子店舗)を管轄する労働基準監督署になります。
一方、雇用保険の非該当承認を受けた場合は、雇用保険に関して会社が行う手続(入社、退社、給付金など)はすべて親事業所で行います。
- 手続にあたっては、上記申請書と「非該当承認調査書」を提出します。
- こちらの提出先は、その店舗を管轄するハローワークです。
就業規則届、36協定届
新規店舗の常用労働者数が10人以上の場合は就業規則の届出が、時間外労働・休日労働がある場合は36協定届が必要です。