育児休業給付金

育児休業を取得した場合、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。

育児休業給付を受けることができるのは、一定の就労実態がある人です。
具体的には、休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上あるということです。

ただし、上記の要件を満たせない場合、産前休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上あれば支給対象になります。
育児休業開始前2年間となると、そのうちの14週間(約3ヵ月)は産前産後休業期間となります。
産前産後休業期間中は無給のことが多いので、その間は賃金支払基礎日数がありません。
入社(社保加入)のタイミングなどによっては、育児休業給付の支給要件を満たせないということがあり得ます。
そのような場合の救済措置ですね。

育児休業給付金の額

休業開始から6ヵ月まで:休業1日につき休業開始時賃金日額の67%
休業開始から6ヵ月経過後:休業1日につき休業開始時賃金日額の50%

手続きの流れ

育児休業給付の支給を受けるための手続きの流れは以下の通りです。

①休業開始時賃金月額証明、受給資格確認票の提出

本人が育児休業開始後10日以内に、事業所を管轄する公共職業安定所に提出。
ただし、会社が支給申請を行う場合は②と同時でOK。

②育児休業給付金支給申請(初回)

休業開始後2ヶ月~4ヶ月の間に。

③育児休業給付金支給申請(2回目以降)

2ヶ月ごとに申請

<休業開始時賃金月額証明、受給資格確認>

育児休業給付を受けるには、事業所を管轄する公共職業安定所に「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」と「育児休業給付受給資格確認票」を提出します。

提出期限は育児休業開始日の翌日から起算して10日以内ですが、会社が本人に代わって手続きをする場合は、初回の支給申請(育児休業開始から4ヶ月以内)と同時でも構いません。

・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

育児休業給付金の計算根拠になります。

休業開始日から遡って1ヶ月単位で賃金支払実績、賃金支払基礎日数を記入します。

休業を開始した日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上あることが分かるようにします。

2年分の賃金台帳、出勤簿を添付します。

・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付支給申請書

賃金月額証明と共に提出します。

初回の支給申請を同時に行わない場合は、受給資格確認の後、4ヶ月以内に改めて支給申請をします。

手続を済ませると、その場で次の書類が交付されます。

・育児休業給付金支給決定通知書(被保険者通知用):本人に渡します
・育児休業給付次回支給申請日指定通知書(事業主通知用):会社で保管します
・育児休業給付支給申請書:次回の支給申請の際に使います

<育児休業給付支給申請(2回目以降)>

育児休業の支給申請は2ヶ月ごととなっています。

支給申請を行うと、次回の支給単位期間と支給申請期間が指定されますので、それに則って手続きをします。

保険料や標準報酬の特例

出産、育児の場合、保険料や標準報酬の特例が適用されます。

職場復帰後の標準報酬の特例

育児休業等が終了して職場復帰した場合、育児短時間勤務を利用するなどで、賃金が下がる場合があります。

この場合、標準報酬月額変更の手続を取るわけですが、月額変更の対象になるのは、標準報酬等級が2等級以上動いた場合だけです。

しかし、以下の条件を満たしていれば、等級の変動(ダウン)が1等級であっても、月額変更が行われ、保険料が下がります。

・育児休業等が終了して職場復帰した
・3歳未満の子を養育している

「健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届」を、年金事務所および健康保険組合に提出します。

育児休業等が終了した日の翌日が属する月以後3か月間の報酬を平均します。
報酬支払基礎日数が17日未満の月は除外します。

また、標準報酬が変更されるのは、育児休業等が終了した日の翌日から起算して2ヶ月を経過した日の属する月の翌月から、つまり、職場復帰の翌日から3か月後です。

養育期間の特例

このように、標準報酬が下がった場合、保険料が下がるだけでなく、将来受け取る年金も下がります。

しかし、3歳未満の子を養育している場合で、養育期間中の標準報酬月額が、養育期間前より下がった場合、年金額は下がる前の標準報酬を基礎にするという特例があります。

「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所に提出します。

子が3歳に達したときや、死亡などでその子を養育しなくなった場合は、特例終了届」を出します。

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