シリーズ「外食・小売業界の人事・労務」を始めます
社会保険労務士としてこれまで、数人規模から数千人規模までのさまざまな外食業、小売業の人事、労務、社会保険に携わってきました。
その経験を踏まえて、外食業、小売業の人事・労務問題と解決策(または解決のヒント)をお話ししていきます。
少しでもお役に立てれば幸いです。
外食業界、小売業界の人事・労務によく見られる特徴
外食業界、小売業界の人事・労務によく見られる特徴として、次のようなものがあげられます。
- 入社・退社が多い
- パート・バイト比率高い
- 外食:軽微な労災が多い
- パート・バイトにマルチジョブフォルダーが多い
- 女性比率高い
- 対人ストレスが多い
入社・退社が多い
人材確保に頭を悩ませている経営者は少なくありません。(ほとんど全て?)。
これは外食業界、小売業界に限った話ではありませんが、後述のようにパート・アルバイトの多いこれら業界では、年間を通して常に募集活動をしているような状況です。
人材の惹きつけ、引き留めが人事の、そして経営の最重要課題のひとつといっていいでしょう。
パート・バイト比率高い
時間帯や曜日によって繁閑の差が激しいのが外食業界、小売業界の特徴です。
外食業界であれば昼と夜の食事時と土日・祝祭日が、小売業界であれば夕方以降と土日・祝祭日がそれぞれ書き入れ時です。
当然、その時間帯・日には人員を多めに配置しなくてはなりませんので、必然的に短時間勤務のパートタイマー、アルバイトの比率が高くなります。
外食:軽微な労災が多い
「油がはねた」、「割れたグラスで手を切った」というような、比較的軽微な業務災害が、外食業界には多いです。業務の性格上、やむを得ない面はあります。
パート・バイトにマルチジョブフォルダーが多い
複数のパートタイマー、アルバイトの仕事を掛け持ちしている、いわゆるマルチジョブフォルダーが少なくありません。
女性比率高い
パート比率が高いことから、女性比率も高くなります。
対人ストレスが多い
外食や小売の現場で働く人の多くは、接客業務に携わっています。
このような業務では、カスタマーハラスメントに被害が典型ですが、対人ストレスが多いという特徴があります。