アルムナイ・ネットワークと出戻り社員の受け入れ

退職した元社員との関係を断ち切ることは、多くの会社にとって損失となり得ます。
かつては、育児休暇の後に職場復帰するなど、限られた理由での出戻りが見られましたが、その多くがパートタイムやアルバイトとしての復職に留まっていました。

「会社に見切りをつけた社員はもう関係ない」という考え方は、今日では逆効果です。
人々がキャリアの中でさまざまな経験を求め、成長のために転職を選択することは珍しくありません。
このような動きの中で、元の職場に戻りたいと考える人々がいることを認識することが重要です。
彼らは「辞めたけど元の会社にも愛着を持っている」または「元の会社の良さを外で実感した」という貴重な視点を持っています。

この種の社員は、新鮮な視点と外部での経験を組織に持ち込み、再び貢献する機会を得ることができます。
彼らは、外部のベストプラクティスを取り入れ、組織文化の革新を促進することができます。
このため、アルムナイ・ネットワークを強化し、元社員とのつながりを維持することは、会社にとって価値がある取組です。

さらに、社員が会社に居続けることが必ずしもロイヤリティを示すものではないという理解が必要です。
ロイヤリティは、会社とその価値観への深い理解と共感に基づいており、必ずしも物理的な在籍だけでは測れません。
元社員が再び組織の一員となることを選ぶ際、それは彼らがその会社とその使命に真にコミットしている証といえるのではないでしょうか。

会社は、アルムナイ・ネットワークを通じて元社員と積極的に関わり、再入社を歓迎する文化を築くことで、多様性とイノベーションを促進し、組織全体の成長と発展を支えることができるのです。

出戻り社員受け入れの際の労務管理上の留意点

アルムナイ・ネットワークを通じて出戻り社員を受け入れる制度を導入する際には、いくつかの労務管理上の注意点があります。以下に、その主要なポイントを挙げます。

平等な機会の提供

出戻り社員を受け入れる際は、全ての候補者に公平な機会を提供することが重要です。
つまり、新規採用の候補者と出戻り社員の間で、採用プロセスを公平に実施するということです。
透明性の高い採用基準を設けることが求められます。

労働契約の整備

再入社する社員との間で新たな労働契約を結ぶ際には、職務内容、賃金などの労働条件などを明確にすることが不可欠です。以前の契約内容をそのまま引き継ぐのではなく、現在の職務と責任に適した条件を設定する必要があります。

オリエンテーションと再教育

出戻り社員であっても、会社の最新のポリシー、手順、文化についての十分なオリエンテーションと再教育が必要です。
会社は変化し続けるため、再入社する社員が最新の情報に基づいて仕事を開始できるようにすることが重要です。

パフォーマンス評価の適用

出戻り社員にも、他の全ての社員と同様に、公正なパフォーマンス評価のプロセスを適用することが重要です。
彼らの過去の実績に依存するのではなく、現在の職務遂行能力と貢献度に基づいて評価する必要があります。

コミュニケーション

出戻り社員の受け入れを組織内で透明にし、他の社員に正しく理解してもらうことが重要です。
再入社する社員が持ち帰る新たな視点やスキルを価値あるものとして認識し、組織全体のモチベーション向上に繋がるようなコミュニケーションを心がけるべきです。

これらの点を念頭に置き、適切な計画と実装を行うことで、アルムナイ・ネットワークを活用し、出戻り社員を受け入れることは、会社にとって大きな利益となり得ます。

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