管理職と専門職の2系統を設けている会社はけっこうあります。。
マネジメントラインとスペシャリストラインという、いわゆる「複線型人事制度」です。

このマネジメントとスペシャリストについて、ドラッカーは次のような指摘をしています。

・マネジメントの仕事は、スペシャリストのアウトプットを顧客の言葉にする、あるいは、経営者の言葉をスペシャリストの言葉に翻訳することである。
・マネジャーはスペシャリストの上司ではない。その逆で、スペシャリストはのマネージャーの上司である。

前者についてですが、スペシャリストというのは独自の世界を築いていますので、その世界と「外界」との橋渡し役をするのがマネジャーの仕事の1つということかと思われます。

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それよりさらに目を引いたのが後者。
これは日本の会社ではまず見られないことですね。
ノーベル賞級の研究者といった例外的な人でもいれば別ですが。

思い浮かんだのが、芸能人や芸人とマネージャーの関係です。
芸能人のマネジャーは、担当する芸能人のマネジメントを一手に引き受けているわけですけれども、その芸能人の上司ではないですね。
逆に、芸能人の方がマネージャーの上司といったような感じになっています。

つまり、ドラッカーの言うスペシャリストというのは、どこに行っても通用する市場価値のある高度専門職を指しているのでしょうね。
スペシャリストの位置づけや実態の違い出ているのかなあという感じがします。
市場価値のある真のスペシャリストなのか、管理職ラインに乗れなかった人の処遇ためのスペシャリストの違いということになるかと。
現実には後者の専門職が多いというのが実情ですが、前者のスペシャリストを増やしていくことが、これからの企業の競争力を左右するものと思われます。

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