職務分析の次は職務評価

賃金制度、人事等級制度をつくる際には、職務分析と職務評価を行うことが多いですね。
今回は職務評価について解説しましょう。

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職務分析についてはこちらをご参照ください。
「職務分析の手法を理解しよう」

職務分析、職務評価はなぜ必要か

職務分析は会社の仕事の洗い出し、職務評価は洗い出した仕事のランク付けとお考え下さい。

職務分析、職務評価をやらないで賃金制度や人事等級制度をつくることもあります。

しかし、会社の仕事の整理を全くしないまま制度をつくってしまうと、どうしても人事等級の基準などが抽象的になってしまいます。
どこまで詳細・厳密にやるかはともかく、何らかのかたちで職務分析・職務評価は行っておいた方がいいと思われます。

特に「ジョブ型人事」を指向して、職務を基軸に賃金制度をつくっていこうという場合は必須といってもいいでしょうね。

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職務評価とは

職務分析で、全社の仕事の洗い出しが終わったら、次にやることは、「職務評価」です。

職務分析で、職務内容、職務要件、職務責任、職務権限を分析し、「職務記述書」などにまとめました。

この段階で明らかになったのは
・会社にはどんな職務があるか
・その職務は、どんな内容で、どんな要件(知識、能力など)が必要か
――というところまでです。

まだ、職務の価値づけは行われていません。
そして、それができていないと、人事等級の決定、賃金の決定ができません。

そこでやるべきが、「職務評価」という作業です。

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職務評価のやり方

それでは、職務評価はどうやればいいのでしょうか?

職務評価の方法には、次のようなものがあります。

  • 序列法
  • 分類法
  • 点数法
  • 要素比較法

序列法

全部の職務を、重要度の順に並べる方法です。比較的簡単な方法です。
ただ、この方法で明らかになるのは、「職務の相対価値」、いわば「会社の仕事の重要度などの順番」です。乱暴な言い方をすれば、単に職務を順番に並べただけなので、序列の論理的な説明が難しいという欠点があります。

分類法

まず職務等級表をつくります。そして、職務等級の定義づけをします。

たとえばーーー
 2等級:定型業務。短期的な部署の利益に影響。マニュアル知識必要。
 3等級:判定業務。中期的な部署の利益に影響。業界知識必要。
---などといった具合です。

そして、この等級表に照らして、各職務がどこに該当するかを判定していきます。

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点数法

職務を評価する要素を選び出します。
たとえば、「知識」、「経験」、「判断」などといったものです。

そして、各要素をレベル分けし、点数を設定します。

たとえば、「知識」の要素だと、次の通りです。
・レベル1(1点):マニュアル知識
・レベル2(2点):業務に関連する法律知識

また、「経験」という要素であれば、次のようになります。

・レベル1(1点):未経験でも一通りの説明を聞けばすぐに行うことができる
・レベル2(2点):業務を独力でこなすようになるためには1年程度の経験が必要。

そして、各職務を、これらの要素で評価し、点数づけをしていきます。
「○○職務は、知識レベルは2、経験レベルは1」という具合です。

要素比較法

点数法同様、評価要素を選びます。

次にいくつかの「基準職務」を選びます。
基準職務の選び方はいろいろありますが、レベル的に中位にあると思われるものを、営業職、技術職などの職種ごとに選ぶのが一般的でしょう。
一方で、最もレベルが高いと思われるもの、最もレベルが低いと思われるものを選ぶという手もあります。

この基準職務を、あらかじめ選んでおいた評価要素を使って評価します。
それ以外の職務は、基準職務に比べてどうであるかを評価するわけです。

わが社の賃金制度をどうするか

以上、今回は賃金制度づくりで行う職務評価について解説させていただきました。

会社が発展していくうえで、人事制度、賃金制度の整備は欠かせません。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な賃金制度をアドバイスをさせていただきます。
ぜひ一度、ご相談ください。

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