少し前、2月28日の日本経済新聞に「業績に応じた賃金でいいのか」というコラムが掲載されていました。
ちょうど春闘交渉の最中ですね。

そこでは、賃上げは業績に対応させていくという議論が行われていましたが、それに対して異を唱えるという内容でした。
つまり---
・業績の範囲で賃金を払っていると、生産性の低い会社はその状態がずっと続いてしまい、結果として日本全体の生産性も向上しないのではないか
・欧米では労働組合が企業横断的に組織されているので、個別企業の採算とは無関係に賃金決定されている
---ということです。

実際に欧米の賃金決定がそのようになっているのかについては、私には何とも言えません。
また、賃金決定においては支払能力も無視はできません。

でも一方で、これからの成長という観点に立つと、支払い能力一辺倒では宜しくないように思います。

ひとつはこのコラムで指摘しているように、まず賃上げをして、それに追いつこうと生産性を上げる努力をするという発想。

もうひとつは、「先行投資」の発想。

業績に連動した賃金というのは、いわば「後払いの発想」です。
しかし、賃金には「先行投資」という発想が必要です。

つまり---
・賃上げによって優秀な人材を引きつけ引き止める
・モチベーションアップ、エンゲージメント向上につなげる
・それらを通じて業績向上を図る
---このような正の循環を作り上げていくということですね。

すべてそのようにうまくいくという保証はもちろんありませんけれども、人材投資、先行投資という発想がこれからの時代、ますます必要になってくると思われます。

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