人事等級制度、人事評価制度、賃金制度

賃金制度を見直そうと思い立ったものの、どこからどのように手をつけたらいいのか見当がつかないと悩んでいるという会社は少なくありません。
いきなり賃金表や基本給表を作り始めるという例もありますが、あまりいいやり方ではありません。
賃金の決定基準、つまり、何ができる人なら〇〇円といった基準がはっきりしないまま賃金表を作っても、運用でつまずくと思われます。

人事等級制度で社員をランキング

賃金制度をつくるときに、まず考える必要があるのは、社員の「ランキング」の仕組みです。
そうして、ランクの上下と賃金を連動させるわけですね。

ではランクは何を基準に決めればいいのか?
目安のひとつになるのは、役職ランクです。

ただ、これだけではうまくいきません。
役職についていない社員は全員同じランクというわけにはいかないでしょう。
そもそも役職というのは一般に、部や課といった組織を管理・運営する人につけるものですから、そうした「マネジメント業務」を行わないけどそれなりのレベル(専門性など)にある人が宙に浮いてしまいます。
そのような人には、たとえば「主任研究員」といった肩書をつけることがよくありますが、それではそういう人は、部長より上なのか下なのかという問題が生じます。

こうした問題をクリアにし、社員全員をランキングできるようにするために作られるのが「人事等級制度」です。
そして、役職についていない人も、ランキング表(人事等級表)のどこかに位置付けられます。
また、等級と役職の対応関係を明確にし、たとえば7等級の人の中から部長や主任研究員を選ぶ、あるいはそれとは反対に、部長や主任研究員に任命された人は7等級にするといった人事を行うわけです。

人事評価制度を考える

人事等級制度をつくったら、次は人事評価制度です。

同じ等級にいても、人によって仕事の出来栄えなどは異なります。
人事評価ではこうしたことを評価し、評価の結果を賃金や賞与に反映させます。

また、仕事や能力のレベルが上がれば、その人の人事等級を上に上げるわけですが(こういうことを一般に「昇格」といいます)、これも人事評価をベースに行います。

最後に賃金制度

そして賃金制度を、人事等級にリンクさせるかたちで作ります。
ここで初めて賃金表を作るわけです。

このように、賃金制度をつくるときは、人事等級制度、人事評価制度、賃金制度の「3点セット」で考えるのです。

賃金制度、人事制度の刷新や見直しを検討している会社は、まずここを押さえることが肝心なのです。

わが社の賃金制度をどうするか

以上、今回は賃金制度をつくるときの基本的な事項を解説させていただきました。

会社が発展していくうえで、人事制度、賃金制度の整備は欠かせません。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な賃金制度をアドバイスをさせていただきます。
ぜひ一度、ご相談ください。