人事評価で差をつけられないという悩み

人事評価で差をつけられないという管理者の悩みは、次の3つに分類されます。

・全員優秀に思える
・全員どんぐりの背比べ(平均的)に思える
・全員ダメに思える

このような悩みは、次の2つに起因します。

・管理者が部下の仕事を把握していない
・管理者が要求水準を決めていない

部下の仕事を把握する

人事評価に関する管理者の悩みの多くはここに起因しています。

部下の仕事の内容や進行状況、アウトプットを把握することは、管理者が果たすべき役割のひとつですが、なかなかできていないというのが多いと思われます。
それには、管理者自身がプレイングマネジャーとして自分の仕事を抱えているなど、様々な理由がありますが、把握の仕方にも問題があることが少なくありません。

実際、何人、何十人もの部下の仕事すべてを、日常のなかで把握するのは困難ですよね。
そのため、把握の範囲と方法を考える必要があります。

まず、「把握の範囲」ですが、前述の通り、部下の仕事すべてを把握するのは不可能だという前提に立つ必要があります。
そこは割り切ります。

管理者が把握すべきは、次の5点です。

・仕事の目的
・仕事の概要
・仕事の相手
・仕事の納期
・仕事の成果

部下の仕事の把握の仕方

次に考えるべきは、把握の方法です。

前述の通り、日常業務の中で部下の仕事の状況をすべて把握するのは限界があります。
そこで、仕組みとして部下の仕事の状況を吸い上げるようにしましょう。

その仕組みとして有効なのは定期的に部下と面談をすることです。
最近では「ワン・オン・ワンミーティング」という手法が注目を集めていますね。
また、会社に目標管理面談制度などがあれば、それを有効活用するのもいいでしょう。

日報や週報を活用するのもいい方法です。
会社に制度がなければ、独自に、何らかの形で日々または週の報告を文書(メール)で上げてもらうようにしてください。
また、その日(週)の報告だけでなく、翌日(週)の行動計画も書いてもらうようにするのがベターです。

また、仕事の説明責任は部下自身もにあると考えることも必要です

ここは大事なポイントです。

よく「私の上司は自分の仕事を何も分かってくれない」という不満を漏らす人がいます。
こういう面も確かにありますが、部下の、自分は何もしなくても上司は自分のことを全部理解してくれるものだという受け身の姿勢にも問題があります。

仕事の説明責任は自分自身にあるという意識を部下にもたせ、実行させるようにしてください。

仕事の要求水準を明確に

要求水準とは、どの程度の出来栄え、アウトプットなら標準なのかといったことです。

このようなことは人事評価基準で設定されています。
しかし、評価基準は、汎用的・抽象的なもので、個別具体的な業務に則した基準にはなっていません。
実際の業務に則した基準を設定するのは現場管理者の仕事です。

したがって、ここでも面談が重要になってきます。
前述の通り、目標管理制度があれば、それを活用します。
期の初めの面談で、その期に達成すべき成果目標を設定します。
そして、目標をどの程度達成すれば「達成(標準)」とし、どの程度上回れば「標準を上回る」とするといったことを決めます。

売り上げなど、定量的な目標であれば、「目標の95%超105%以下=標準」、「目標の105%超115%以内で標準を上回る」などと設定します。

定性的な目標の場合は、「○○制度の企画書が完成し、決済を通った=標準」、「○○制度の企画が通り、実行体制を構築、キックオフまでこぎつけた=標準を上回る」というように、「どのような状態になったか」を基準にします。

このように、あらかじめ、達成水準の定義と、それに対する評価を決めておくことにより、客観的で納得性のある評価が可能になるのです。

わが社の人事評価制度、賃金制度をどうするか

以上、今回は人事評価に関する現場管理者の悩みについて解説させていただきました。

会社が発展していくうえで、人事制度、賃金制度の整備は欠かせません。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な賃金制度をアドバイスをさせていただきます。
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