賃金制度で賃金表は必須アイテム

賃金制度をつくる際には、賃金表をつくるようにします。

賃金表というのは、「2等級なら〇〇円~〇〇円」というような賃金の幅と、賃金改定の際にどのぐらいの幅で賃金が上がったり下がったりするのかという賃金の動かし方を設定した表です。

このような表があると、社員一人一人の賃金が賃金制度全体の中でどこに位置づけられているかがよく分かるようになります。
果たしている役割や担当している業務のレベルに照らして賃金額が適当か、おかしな逆転現象がおきていないかなどを確認することができ、理に適った賃金決定ができるようになっていくのです。

賃金表にはどのようなものがあるか

賃金表は、「賃金の幅の取り方」で分類できます。

シングルレートとレンジレート

賃金の幅の取り方によって、賃金表はシングルレート(単一給)とレンジレート(範囲給)の2つのタイプに分けることができます。

シングルレート(単一給)では賃金は、1等級=200,000円、2等級=250,000円というように等級などに1:1で対応します。

同じ等級なら、同じ賃金です。
そして、等級が上がらなければ、賃金も上がりません。

レンジレート(範囲給)の場合、1等級=180,000円~220,000円、2等級=230,000円~280,000円というように同じ等級でも賃金額に幅があります。
賃金は人事評価などによって、等級の中を上がったり下がったりします。

<図表:シングルレート(単一給)とレンジレート(範囲給)のイメージ>

レンジレート(範囲給)の3タイプ

レンジレート(範囲給)には、等級と等級の間の賃金差をどう取るかによって、「開差型」、「接合型」、「重複型」があります。

・開差型:下位等級の上限と、上位等級の下限の間が開いているタイプ
・接合型:下位等級の上限と、上位等級の下限が同じ額になるタイプ
・重複型:下位等級の上限が、上位等級の下限を上回るタイプ

<図表:レンジレート(範囲給)の3タイプ>

以上を整理すると、賃金の幅の取り方によって、賃金表は次の2系統、4パターンに分かれるということになるのです。

1)シングルレート(単一給)
2)レンジレート(範囲給)
2-1)レンジレート(範囲給)・開差型
2-2)レンジレート(範囲給)・接合型
2-3)レンジレート(範囲給)・重複型

それぞれの賃金表の特徴

シングルレート(単一給)は、もっともシビアな賃金表と言っていいでしょう。
昇降格がない限り、賃金は変わりません。
昇降格をどう運用するかによりますが、成果主義、能力主義を徹底したいときに適している賃金表です。

その一方で、賃金額がまったく変わらない状態が長く続くということがおこり、モチベーションが維持できなくなる可能性があります。
それを避けるために、等級段階数を増やすことが行われますが、それが行き過ぎると等級間の違いが分かりにくくなり、結果として年功序列的な運用になりがちです。

レンジレート(範囲給)は、毎年の人事評価結果を賃金に反映させることができます。
昇降格がなくても、賃金が上下します。柔軟な賃金運用ができます。
ただし、賃金の動かし方によってはこれも年功序列的になります。

開差型の場合、等級の間の「開き」の取り方によって、昇格のインセンティブを強くすることができます。

接合型、重複型の場合、「昇格昇給」を別途設けるのが一般的です。

重複型だと、下位等級の人の賃金が、上位等級の人の賃金を上回るということがおこり得ます。
特に昇格をしないまま同じ等級に長期間滞留する人がいると、そういう人は等級内の上の方にいることが多いので、早めに上位等級に昇格した人の賃金より高くなりがちです。

さまざまな事情から仕方ない面もありますが、重複部分はあまり大きくならないように気をつけるべきでしょう。

ただ、重複型には「降格ショック」をやわらげるという面もあります。
下位等級に降格しても、賃金に重複部分があれば、賃金額は横滑りで済むか、そうでなくてもそれほど大きく下がらなくて済むということです。

このようなことも考慮して賃金表を設計するのがいいですね。

わが社の、賃金制度をどうするか

以上、今回は賃金表について解説させていただきました。

会社が発展していくうえで、人事制度、賃金制度の整備は欠かせません。
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