人事評価のスケジューリング

人事評価のスケジューリングはいつも実務担当者の頭を悩ませます。
人事評価結果は、賃金改定、賞与決定、昇進・昇格などに反映されます。
これらの人事イベントは、スケジュールが定まっています。
人事評価は、当然これらイベントが予定通り実施できるように進めなくてはなりません。

ところが、実際に人事評価を行うのは、管理職など現場の社員です。
彼らは日常業務を抱えていますから、なかなかスケジュール通りに評価を出してくれません。

また、現場の評価者や、役員・幹部を招集して評価調整会議などを行う場合、出席者の日程調整も必要です。特に、役員・幹部が関係する場合、全社的なイベント日程も先々まで把握しておかなくてはなりません。

こうした様々な要素を念頭に置いて評価スケジュールを考えていく必要があるのです。
その場合、賃金改定など、評価を最終的に反映させるイベントの日程をまず押さえます。
つまり、いつまでに評価の最終結果を確定させていれば、賃金改定の実務ができるのかを把握するわけです。
そのうえで、評価確定までに実施すべきことを、ゴールから逆算して設定していきます。

人事評価のフロー

人事評価のフローは会社の評価制度がどのようなつくりになっているのかによって異なります。
たとえば、次のようなフローが考えられます。

①被評価者による自己評価
②一次評価者と被評価者による面談
③一次評価
④二次評価
⑤評価全体調製
⑥評価確定
⑦評価フィードバック

このような場合、人事評価スケジュールは次のようになります。
ただし、組織の大きさ、すなわち、評価者が評価する人数などによって異なります。
自社の組織の実態を踏まえて設定してください。

①評価シート、評価マニュアル等を被評価者に配布
②被評価者が自己評価を記入、一次評価者に提出(2週間)
③一次評価者と被評価者の面談(1~2ヶ月)
④一次評価(1~2週間)、二次評価者に提出
⑤二次評価(2週間~1ヶ月)
⑥評価調整会議
⑦評価確定
⑧フィードバック(1~2ヶ月)

誰が人事評価をするのか

人事評価では、被評価者の直属上司が評価をし、その上位者が直属上司の評価を確認、修正するという方法がよく取られます。
このような評価方法を多段階評価といいます。
直属上司の評価が一次評価、その上位者の評価が二次評価となります。

多段階評価を取り入れる理由は、評価の公平性、納得性を高めるためです。

一次評価者は自部署の評価結果しか知りません。一方、二次評価者は、管轄する部署すべて、すなわち、複数の一次評価者の評価結果全体を知ることができます。
したがって、評価者による評価の偏りを客観的に見ることができるわけです。

しかし、被評価者の業務内容や成果を直接把握しているのは一次評価者です。したがって、個々の部員の評価をつけることができるのは、一次評価者をおいて他にありません。

以上から、一次評価と二次評価の機能は、次のようになります。

一次評価:評価実施
二次評価:評価調整

この評価調整についてですが、二次評価者が一方的に一次評価を修正するという方法はとるべきではありません。
二次評価者が一次評価に疑義を感じたら、一次評価者に、その疑義の内容や根拠を伝えたうえで評価の見直しを命じるという運用にするのがいいでしょう。

わが社の人事評価制度、賃金制度をどうするか

以上、今回は人事評価のフローや評価者について解説させていただきました。

会社が発展していくうえで、人事制度、賃金制度の整備は欠かせません。
ヒューマンキャピタルは豊富な経験と専門性を元に、丁寧なヒアリングと綿密なミーティングをもってクライアント様に最適な賃金制度をアドバイスをさせていただきます。
ぜひ一度、ご相談ください。