人事・賃金制度改革の目標、ゴールイメージを固めます。
基本コンセプトといっても、かなり具体的なところに踏み込みます。

この部分はどうかすると、誰にでも受け入れられる耳当たりのいい総論をまとめて終わりにしてしまうことがありますが、これだと後になって、それぞれの思いのズレが表面化し、プロジェクトに手戻りが発生します。

具体的に何を意味するのか、メリット・デメリットは何かを議論し、プロジェクトメンバー全員が新制度の目指す姿を共有します。

基本コンセプトの確立(1)経営理念、経営戦略ヒアリング

経営理念、事業戦略、事業内容・強み、戦略実現上の課題を経営者の方からヒアリングさせていただきます。
そこから、戦略課題と人事制度を整理し、人事・賃金制度改革の方向性を確立します。

基本コンセプトの確立(2)

基本理念を固める

輪郭づくり、言葉の定義

曖昧でふわふわした、つかみどころのない考えを、かたちのはっきりしたものにします。

【例1】たとえば、「会社に貢献した社員に報いる」という場合--
・「貢献」とは何を指すのかを明確にする。できれば職種・職掌ごとに。
・「報いる」とは何を意味するのか。「報い方」は何ランクになるか。ランク間の差はどの程度か。

【例2】「成果」とは何か?
・「成果があがった」とはどういう状態か。
・数値だけ:数値で表せないものはどうする?
・結果だけかプロセスも含むか
・個人成果だけかチーム成果も見るか
・外部要因をどのように扱うか

線引き

新制度でやること、やらないことの境界線や比率を明確にします。
たとえば、「会社に貢献した社員に報いる」という場合、貢献以外の要素(家族数など)は考慮するのか、考慮する場合、それはどのような要素で、全体の何割程度になるのかといったことを明確にすることです。

オプションを示し、議論を重ねる

最初からひとつの案で決め打ちしてしまうのは危険です。
賃金制度ひとつとっても様々なバリエーションがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。それらを吟味して、はじめていい制度設計ができるのです。
そのため、新制度の複数のオプションと、それぞれのメリット・デメリットを示し、議論を重ねていきます。

基本コンセプトをドキュメント化し、関係者で共有する

以上の議論をドキュメントにまとめ、基本コンセプトとしてまとめます。