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パートタイマーの人事・賃金制度(12)〜賃金制度(3)
◆賃金水準

賃金で大事なのは、制度と水準です。
どんなに立派な制度でも、まるっきり生活できない水準では意味がありません。

賃金水準に影響を及ぼす要因は、次の2つです。

1)世間水準
2)職務(あるいは役割や能力)の社内価値
3)支払い能力


ここではこのうち、1番目の世間水準と2番目の職務等の社内価値についてお話します。

(1)世間水準

これが最も効いてくるのは、募集・採用時です。
世間水準と比べてあまりに低ければ、誰も応募しないでしょう。

ポイントは、同業種・同一地域の相場。
特にパートタイマーの場合、居住地からそれほど遠くない会社で働くのが一般的ですから、地域の相場は重要です。

募集チラシ・広告や、各種賃金調査から、最新の相場を把握するようにします。


ここで注意しなくてはならないのは、募集・採用時賃金と、在籍者との賃金バランスです。

「新規入社の人の賃金は、既に在籍している人より低くなくてはならない」ということではありません。

即戦力である、特別なスキルをもっているといった、「最初から高めの賃金」にする、合理的な理由があれば、何の問題もありません。

社員を中途採用する場合と同じです。

しかし、単に世間相場が上がったというだけの理由で、新規入社の人の賃金が在籍者の賃金を上回るようなことになるのは、納得されないでしょう。
世間相場の関係で初任賃金を上げる場合、在籍者とのバランスを確認し、場合によっては、在籍者の賃金を補正するようにします。


(2)職務(あるいは役割や能力)の社内価値

これには2つの側面があります。

ひとつは、パートタイマーの中の職務等の序列・価値づけ。

もうひとつは、正社員賃金との関係。


これらを考える上で意味をもつのが、以前お話した職務分析・職務評価。
ここがしっかりできていれば、パートタイマーの中の職務等の序列・価値づけの問題も、正社員賃金との関係もクリアできます。


ここでは正社員賃金との関係、つまり、「均衡処遇」について見ていきます。

2008年4月施行の改正パートタイム労働法では、正社員との均衡処遇が図られています。

この中で、正社員と同視すべきパートタイマーについては、差別待遇が禁止されます。
つまり、賃金も同一。

それ以外のパートタイマー、たとえば、職務は同じだが、転勤や異動などの面では社員と異なる場合などは、職務内容などを勘案して賃金を決めるように努めなくてはならないとされています。

つまり、賃金に差をつけてもいいが、そこには合理的な理由が必要になると考えていいでしょう。

それではどうすればいいか?
正社員とパートタイマーで、「同じ部分」、「違う部分」を明確にすることです。
そして、その基準は「職務」。

たとえば、店頭で接客をするのは、正社員もパートも同じだが、クレーム対応は正社員としていれば、この「クレーム対応」の部分が差となります。

また、仕事自体は同じだが、正社員には必ず転勤があるという場合、この部分が差となります。

これに対して、会社がどの程度の価値づけをするかを決めるのです。

こうして、パートタイマーの賃金水準を決めていきます。

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