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請負と人材派遣
◆近年、業務請負を装いながら、実態は労働者派遣となっている、いわゆる「偽装請負」が問題となっています。
特に昨年は、摘発・指導が相次ぎ、注目を集めました。


業務請負は、文字通り業務を発注者から請け負うことです。
請け負った会社(あるいは個人)は、約束した期限までに請け負った業務を完成させ、納品します。

業務委託という場合は、何かを完成させるというより、一定の業務をこなすこと自体が契約内容になるのが一般的です。

大工さんが期日までに家を建てるという場合が請負、管理職研修を企画し実施するという業務などは委託となります。

ただ、それほど厳密ではありません。

ポイントは、どちらの場合も、仕事をする人と発注者との間に雇用関係がないということです。
したがって、発注者には指揮命令権がありません。
受注者は、いつ、どこで、どのように仕事をするかが完全に任されています。

ただ、請け負った業務の性質上、発注者の指定する場所、時間のワクで仕事をするしかないというケースもあります。
典型例が、工場の製造現場。
機械設備がないと、仕事のやりようがないからです。


◆このような場合、請負と人材派遣の区別が、曖昧になってきます。
ポイントは、「発注者側の指揮命令権の有無
請負の場合は、発注者側に指揮命令権はありません。
この点は注意が必要です。


人材派遣の場合は、派遣期間の制限など、人材派遣法に基づく規制があります。
そのため、こうした制限のない請負に傾斜してしまいますが、何でもかんでも請負や業務委託という考えでいてはいけません。


◆2007年2月27日の朝日新聞に、厚労省が偽装請負については直接雇用するよう指導することを決めたということが報じられていました。
以下、記事を引用します。

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労働者を派遣社員のように働かせながら、請負契約を装う違法な「偽装請負」について、厚生労働省は、大手メーカーなど受け入れ企業に、労働者を直接雇用するよう指導することを決めた。偽装請負が判明した時、これまでは派遣契約への切り替えを認めていたが、偽装請負で働いた期間が派遣で認められる期間を超える場合は、早期の直接雇用を指導する。企業にとって、偽装請負の最大の利点である直接雇用の回避が難しくなり、製造業で特に多い偽装請負の解消の動きが一気に加速しそうだ。

製造業への労働者派遣は、04年3月に解禁された。派遣の立場が固定化しないよう、派遣可能期間を超えて働かせる場合、企業が労働者に直接雇用を申し込む義務も導入。製造業への派遣可能期間は、今年3月に1年から3年に延長される。

一方、厚労省は偽装請負の改善手段として、これまで派遣契約への切り替えを認めてきた。05年10月に文書指導したキヤノン宇都宮工場の事例でも、企業側が示した06年3月以降に派遣に切り替える改善計画を認めた。1年の派遣可能期間を超えて働かせている場合は、直接雇用を指導することも可能だが、企業の負担に一定の配慮をしていた。

しかし、製造業の派遣期間が3年になると、長年偽装請負をしていた企業が、発覚後にさらに3年間も派遣として働かせることになる。そこで今後は、直接雇用に切り替えるよう、口頭を含め、指導を厳格にしていく。厚労省は「派遣制度は製造業に定着してきており、指導を強めていく段階」としている。

偽装請負の期間も派遣期間と見なし、労働局が直接雇用を指導した事例はすでにある。大手機械メーカー、クボタの子会社は、今年1月に偽装請負で大阪労働局の指導を受けた。このためクボタは、グループ全体の派遣労働者1400人を4月から順次契約社員にする。「行政の指導強化を受け、法令順守を徹底することにした」という。

今後は、請負労働者が労働局に直接雇用の指導を求める動きが広がる可能性がある。人材会社も営業基盤を失うことにつながるので、法令順守の徹底を迫られる。ただし厚労省は、すでに派遣契約に切り替えて、偽装請負が解消された事例まで指導の対象とすることには慎重だ

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◆請負それ自体は、何も悪いことではありません。
ただ、コストダウン「だけ」考えて、このような外部労働力を活用するのは、考え直した方がいいでしょう。

社内外の人材をどう活用するか?
そのキーワードは、(当たり前ですが)業務です。
会社には様々な業務があります。

固有・コア業務、固有・補助業務、短期プロジェクト業務、汎用的・専門的業務、汎用的・定型業務…

これらの業務を整理して、そこにどのような人材を活用するかを検討するのが、人材戦略の要諦でしょう。
そして、それが必ず、会社の成長力につながるはずです。


◆業務を請け負う側も、変革が必要なのでしょうね。

「請負」にも、2種類あります。
ひとつは、専門業務の請負。

もうひとつは、定型業務の請負。

いま、問題になっているのは後者でしょう。
こうした業務に従事する人の多くは、未熟練・半熟練の人たち。
そして、教育・指導を受けることもなく、スキルアップの機会もないまま、日々、指定された工場に行って、単純作業に従事する。

これでは、明日に希望が持てないのも当然でしょう。

こういう仕事が「通過点」として機能し、社会に出たばかりの人が、新陳代謝していく、つまり一定期間過ぎたらそこを「卒業」して、もっと高度なスキルが必要な業務に移っていけるようなシステムができればいいと思うのですが…
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